曲がりシッポの別館

冴えないおやじのだらだらブログ

「ホームレス ニューヨークと寝た男」を観る

 先週の土曜日、シネ・リーブル梅田で、「ホームレス ニューヨークと寝た男」を観てきました。
その前は、「ミスシェパードをお手本に」を見てきましたので、ホームレス系を立て続けに観たことに。
まあ、「ミスシェパードをお手本に」は、タイトル詐欺で全くお手本にならない、可哀そうだけど、捻くれた性格のおばあさんの話でしたが・・・
 で、本題の「ホームレス ニューヨークと寝た男」ですが、作中の主人公に近い年齢で、人生に失敗している自分としては非常に身につまされる作品でした。
ニューヨークで、俳優、モデル兼フォトグラファーとして活動する主人公のドキュメンタリーという事で、この身なりの良いイケメンおじさんがホームレスとは俄かに信じられないのがまずこの作品の魅力でしょう。
とはいえ、実際には、月20万円には満たないにしてもそれに近い収入を得ているようで、たまには何百万という仕事が舞い込む、先の見えない正に零細自営業者。
でも、マンハッタンの1DKの家賃は25万円くらいするとなると家賃の捻出ができないわけで、じゃあどうするかっていうある種の答えがホームレスなんでしょうねえ。
華麗な業界と一見華麗な生活をしているかのように見える主人公とその現実。
その落差と、そうはいっても、それに安住するわけでは無くもがく主人公の姿は無気力なホームレスと同じに語っては失礼な気持ちにさせられます。
作中、「どうしてこうなった、どこで間違った」、「母親より先には死ねない、親孝行をしていない」と自問する主人公の姿は、他人事ではなく本当に胸を突きます。
 見に行った土曜日は、シネ・リーブル梅田での初日の第一回の公演でして、主人公のマーク・レイ氏の舞台挨拶もあり非常にお得な回でした。
まあ、無理やりトランプ大統領に対するコメントを言わせたりと、嫌な感じもありましたが、それを上手くあしらう氏を見ていると、作中同様頭が良い人なんだなと、いっそう感情移入してしまったりして、普段なら絶対にしないであろう、オフィシャル・ハンドブックを購入してサインをもらってきました。
第二回の舞台挨拶まで後2分もない状態で自分の番が回ってきたので、それまで必死で脳内英作文をしていたのは置いてサインだけ頂いたのですが、氏の方から握手を求められたりして、ちょっとほっこりしました。

 作品自体、こういう大手の劇場系列での公開は初めてということらしく、作られたのはいいけど、世間の認知度は非常に低かった様で、日本での公開を非常に喜んでおられ、出来れば日本で活動したいとまでおっしゃっていました。
機会があれば、是非ご覧下さい。