曲がりシッポの別館

冴えないおやじのだらだらブログ

Vae Victis 143号 PYRRHUS Imperatorを購入&和訳作成

PYRRHUS Imperator Campaign of Italy and Sicily, 279 BCE TO 275 BCEは、有名なピュロス戦争を扱った歴史シミュレーションゲームです。

この戦いで、「ピュロスの勝利=損害が大きく、得るものが少ない勝利」という慣用句が生まれました。

また、スキピオからの「史上もっとも偉大な指揮官は誰か」との問いかけに、ハンニバルが「第1にアレクサンドロス大王、第2にエピロスのピュロス、そして第3に自分だ」と答えたという逸話が残っています(後世の創作?)。

このテーマがVae Victis誌で出ているのに気がついて、和訳なんてなくてもと購入するのは歴史好きなら仕方がないですよね。

でもまあ、ソロプレーを書く前にちょっと愚痴を聞いて下さいよ・・・

まず、ルールブックの出来が酷い、英・仏どちらのルールブックでもそのままではセットアップも完了しません。カンパニア人はカンパニアとレギウムにいますが違いが書かれていません。あとは、和訳ルールブックの訳注の数々を見てw

最初はBGGの質問やデザイナー本人のセットアップ画像を元にルールブックを作り直しましたが、最終的にnagunaguさんが、フランスの掲示板の質問をまとめて翻訳して下さったおかげで、残っていた疑問も氷解して和訳ルールブックが完成しました。

一部機械翻訳では全く意味が通じなく自分でも途方に暮れた部分も助言していただきました。

nagunaguさん、本当にありがとうございました。

で、まずはイベントカードの作成。このイベントは条件付きの自由選択なので、チットやカードは付属していませんが、イベントカードが有る方がプレーしやすいので作ることにします。

BGGにお二方がアップしていただいている中のイタリアの方のが陣営毎にイラストがあって綺麗なので使わせていただきました。実サイズで印刷するとレギュラーサイズのカードスリープだとちょっときつめなので、長辺を1mm程切っています。左から、ローマ、カルタゴ、ピュロスの陣営です。

3つ陣営があると言うことからおわかりのように、このゲームは3人戦に対応していますが、2人だとピュロスとローマ・カルタゴの陣営になります。

ポエニ戦争(紀元前264年から164年)の始まる10年くらい前には(一応)協力して戦っていたのですねえ・・・

セットアップ画面。

ピュロス陣営の配置がエリア内10CU(CU=戦闘ユニット)の制限に引っかかっているのですが、このルールブックなので気にしないことに(苦笑

ターンは1ターン1年で夏季と冬季に分かれています。イベントは、夏季にカルタゴ、冬季にローマが使えるのでこちらの陣営の場合には注意が必要です。

ピュロスのイベントは、ピュロスがイタリアにいる場合、シシリーにいる場合、どこにいてもと3つの条件のイベントがあります。

今回、ピュロスは、「Paestum と Heracleaがピュロスのもとに集結。Hubris > 10+」、カルタゴは、「ローマとカルタゴの海軍同盟」を選択してプレー開始です。

ピュロスのHubris(放漫)ですが、これの数値で使えるイベントが変わってきます。0になるとその年の終わりにピュロスの敗北になるという勝利条件があるように、少ないほどローマ・カルタゴには有利となります。

今回15でスタートしているためにカルタゴ側で使えるイベントがほとんどありません。

ピュロスの徴税イベント以外は全部使い捨てのイベントなので、イベントの使用は1シーズン1回としてプレーしています。双方パスするまで出し合うのがボドゲぽいとも思いますが、どうなんでしょう?

ローマ対サムニウム人。

画面右中央(以下、バトルフィールド)のこの数字マーカーみたいなのがユニットです。

サムニウム人とエトルリア人という二つの種族がこのユニットで、反ローマ。放っておくと1ステップロス値が上がる上にローマから1BP(Booty Points 戦利品ポイント)を奪うという厄介な存在。

BPは、財宝、略奪品、収入と色んな言葉で記載されている全てをひっくるめて使います。

で、バトルフィールドは射撃と通常の近接戦闘を行う第2列【Secunda Acies】と選択した戦術によりクリティカル・ヒット(出目によっては2倍)が生じるユニットを配置する最前線【Prima Acies】に分かれています。

サムニウム人とエトルリア人には特別ルールがあり、射撃、近接戦闘と続く戦闘の内、射撃がありません。また、ローマは戦術を選択できません。今回ローマは射撃で2ヒットを得ますが、近接戦闘では1ヒットのみ。対してサムニウム人は2ヒットを与えます。

除去されたローマ軍CUは補助表の骸骨の書かれているスケルトンスペースに置かれます。

ローマの敗北ということで、ローマ軍は進入してきた隣接エリアに後退します。Fortuna(幸運)マーカーを中立エリアから部族エリアに置きます。

これで戦闘終了ということで、CUをスケルトンスペースから Elysii Campi スペースに移動させます。

カルタゴは、シチリアの兵を移動させ、本土から兵を送り増強します。

徴収を行い(各都市の黄色い丸数字)、それを分配します。上限が20なので、20面ダイスかメモ書き等の代わりを必要とします。

ピュロス陣営は、イベント以外ではイタリアやシチリアで徴収を行うことができません。本拠地エピロスの3BPが基本です。

ローマは、サムニウム人とエトルリア人の分の2BPが引かれます。

赤いチップが置かれているエリアは、Ravage(略奪)が行われており、そこで1BPが得られる代わりに徴兵ができないことを表しています。

ローマの執政官の上に緑のチップが置かれているのは、この執政官が、ローマ・カルタゴ陣営では季節の内指揮官又は艦隊の2つ、1年に1度のみ、ピュロス陣営ではピュロスのみが行うことの出来る2アクションを行ったことを表しています。

これで、夏季が終わり。冬季となります。

 

冬季のイベントは、ピュロスとローマ(夏季はカルタゴ)が行います。

Fortunaをサムニウム人が持っているのでピュロスがイニシアティブプレイヤーとなり、先行を選択します。

ピュロスは、「Locre と Crotone がピュロスのもとに集結。Hubris > 10+」を選択。

Locreがピュロス陣営になったために、Locreにいたローマ側部族ユニットはローマに移動、ピュロス陣営のAlexanderⅡを入城させます。

一方、ローマは「Deciusは献身を実践します」を選択。執政官Deciusが死ぬ代わりにダイスロールをやり直せるというカード。まあ、どうせ執政官は1年任期なので(酷い!

さて、ピュロスはカンパニアに軍を進め会戦が行われます(すみません。兵の配分が悪すぎたので、配り直しています。て、テストプレーなんだからね!)。

双方、リーダーズボックスからCUをバトルフィールドの第2列【Secunda Acies】に移動させます。

ピュロスは2回サイコロを振り直せます(ユニット左の箱のイラスト)ので、ALEAマーカーを2個取ります(ピュロス側は2個しかないので足りなくなるのはご愛敬)。

双方、戦術を選択(4個、1組しかないので、ピュロス側が隠して出して、ローマ・カルタゴ側プレーヤーが口頭でこれって言うか、自分で作って増やすしかないです。VV、貧乏が悪いんや!)

幸い今回は双方違う戦術を選択したので、絵面としては良い感じに(ぉ

CUの左中央の弓のマークが射撃力があることを示しています。

この数字以下の賽の目が出れば1ヒットとなります。

フェーズ1(射撃)

結果は双方1ヒット。損害適用は防御側(今回は同時攻撃なので双方のプレーヤー)が任意のCUを選択します。

続いて、フェーズ2’近接戦闘)に移りますが。ここで戦術選択の意味が出てきます。

各ユニット左端下に剣(剣なんですよw)のマークと数値があります。これの色が各戦術に対応しており、対応するCUは最前線【Prima Acies】に移動させます。

最前線に移動したユニットの攻撃にはクリティカルヒットという特殊効果があり、近接戦闘力と同じ数値(2の場合は、2の目)が出ると2ヒットとなるのです(済みません、このカンパニア攻め近接戦闘値以下で全部クリティカルヒットにしていました。これを書いていて気がつきましたorz)。

ピュロス側7ヒット、ローマ1ヒットでローマ軍は壊滅。ピュロス陣営はFortunaがあるので、これを手放すことでもう一回サイコロを振り直すことができました(言い訳)。

ああ、あと、ピュロスとローマの最初の戦闘では初めて象を見たローマ軍の動揺ということで、最初は5以下でヒット、2回目で4以下でヒットとなります(ルールブックがちょっと曖昧で、2回目の会戦ではなく象CUに対する2回目のサイ振りと解釈していますがご意見お待ちしております)

全滅したローマの執政官は捕虜となります。扱いが不明なのでピュロス側のスケルトン(骸骨のイラストのある)フィールドに入れておきます。

戦闘に負けた軍の捕虜だった指揮官が解放されるので、リーダーズボックス内が正しいのかもしれません。

ここで、カンパニア攻めが終了かと思いきや、さにあらずでエリア内に敵勢力が在る場合、それを排除するか負けるまで戦闘が続きます。

野戦の次は包囲戦となります。

包囲戦では、戦術選択は無し。被包囲側は都市の防御値と同じ数のALEAマーカー2個を得ます。

前回の戦いでピュロスはALEAマーカーを使い果たしていますが、新しい戦闘ということで、こちらも復活して2個使えると解釈してプレーをしています(写真じゃ双方マーカーが使えないように見えていますが違います)。

フェーズ1では、通常と異なり、まず防御側が射撃を行いその結果を適用した後に攻撃側が射撃を行います。

ALEAマーカー2個を使ってローマ側は1ヒットを得ます。ピュロス側は0ヒット。

続いてフェーズ2ですが、黄色の剣をもつCUは強制的に最前線に送られます。

ピュロス陣営が無傷でカンパニアを陥落させました。

画像は逆向きだったのですが、ローマ・カルタゴ側プレーヤーから見ると(ユニットの向きは違いますが)こんな感じと分かって良いかとそのままで。

カルタゴのバルカが2アクションでシラクサを包囲。

カルタゴは、指揮官の分の1ALEAマーカー。ピュロス側は、シラクサ市の守備力3ALEAマーカーを得ます。

ピュロス側が先に射撃をし、2ヒット。カルタゴ側は1ヒット。

フェーズ2の近接戦闘を行ってもシラクサを占領することが不可能なため、損害が拡大する前に近接戦闘を中止し、カルタゴ側は退却します。

イベントカードを使ったので、懲りずにサムニウム攻めを実行。

ローマは、2ヒットを与えるも最終的に3ヒットを受けてしまい完全に失敗。

フェーズ2で、サムニウムが1の目を出したので、ローマがサイコロの振り直しをする場合はサムニウムも可能というルールの適用を避けるために結局イベントの効果は使わずで、踏んだり蹴ったり。

都市と港以外のユニットは帰郷しないといけないので、アクションは終了。

すみません、戦闘終了後の、除去されたCUをスケルトンスペースから Elysii Campi スペースに移動するのを忘れてプレーしています。

帰郷の後は募集で、これが終わるとターン終了。

ローマは執政官が交代します。

傭兵は、Fortunaを持つプレイヤーが2個、それ以外は1個雇うことができます。但し、ローマは雇う事が出来ませんし、カルタゴが雇ってもアフリカに配置する場合は費用が倍増します・・・

で、大損耗したローマでCUの大募集をしようとしたところ、まだ出来ない!

ええええええええええっ!

あ、次のターンの最初に、「Elysian Fields (Elysii Campi 楽園、訳注:エーリュシオンはギリシア神話の死後の楽園) の CU は、再び募集される可能性があります。それらを増援ゾーン(Supplementum)に配置します。」となっているじゃん。

じゃあ、次のターン、ローマは、これだけ・・・

まあ、うん、ルールブックの見直しが出来たし、1ターン通したので良いよね。

僕、頑張ったよねママン。

ということで、MustAttackの日記にルールブックと和訳イベントカードを上げますので、しばしお待ちを。